修繕工事はそれが必要に応じて行うもの。そこで大切なのは、現状をしっかり把握することです。
目に見える劣化や住まい心地・使い勝手への不満はまだしも、壁の内側はどうなっているのか?配管の劣化はどの程度進んでいるのか?本当に修繕は必要?それとも不必要?目に見えるところも見えないところも、建物の現状を的確に知ること。プロフェッショナルの仕事は、そこから始まります。
調査・提案の流れ
打診調査の状況
1.目視調査及び打診調査
外壁等に対して目視での観察と打診を行い、浮き・ひび割れ・欠損のほか、エフロレッセンスや錆汁の流出、漏水や漏水跡、シーリング材の劣化、仕上げ塗材の劣化等の状態を把握します。必要に応じて双眼鏡やカメラ等の補助機器を使用し、把握精度を高めます。
2.バルコニー立入調査
ご希望の方を対象に、バルコニーに立入り、内部の状況を調査します。
タイル付着力測定試験の様子
3.仕上材付着力強度試験(タイル・塗装面)
外壁仕上材の付着力を調査します。調査サンプルとするタイル・塗装面の周囲をコンクリートカッターで切断し、表面に治具を接着します。完全に接着された後、治具を引張試験器によって引き剥がします。剥がれた際の数値から、付着力の強度を求めます。
コンクリート中性化深度試験の様子
4.コンクリート中性化深度試験
建物駆対のコンクリートから採取したサンプルに、専用溶液を散布します。コンクリート表面から着色境界線までの距離を中性化深さとし、中性化の進行具合を調査します。
引張試験器
5.シーリング物性試験
外壁の防水性と係わりが大きく、緩衝材としても機能するシーリング。交換には足場を組む必要があり、大規模修繕の際に行うのが最適です。シーリングの状況を調査するには、採取したサンプルを試験器で引っ張り、延びを測定することで劣化の具合を把握します。
赤外線画像の例
6.外壁赤外線調査
太陽光によって温められた外壁全面を、赤外線サーモカメラを用いて測定します。赤外線画像を解析することで外壁タイルの浮きの状況が確認できます。
ゴンドラ
7.ゴンドラ・高所作業車調査
調査箇所によっては、ゴンドラや高所作業車を使用して調査を行います。
修繕工事のご提案
調査・提案の実例をご紹介【エントランス編】
エントランスは建物の顔。機能の上でもイメージ的にも、その建物の印象を左右します。古い、暗い、狭い、そんなエントランスを明るく、開放的に、広々と。コーディネートを基に施工前にしっかりとイメージを把握していただけます。また、照明機器のLED化など、時代に即したご提案も怠りません。
横浜市中区・ビルエントランスリニューアルのご提案を紹介します。
※本物件では提案をご評価いただき、実際に施工いたしました。
調査の結果は
- 現状の岩綿吸音板はリブ付のため、天井の低さが気になります。また、一部破損も見られます。
- 床面の色が濃く、かつ天井照明が少ないため、エントランスが暗い印象を与えます。
アルテックのご提案
- 天井岩綿吸音板を、高さを感じさせないフラットなものに張り替え、小さな誘導灯に交換します。
- 床面を明るい色の石調タイルに貼り替え、照明は消費電力の少ないLED電球を使用したダウンライトを配置します。日中でも暗いエレベーター側は常時点灯とし、日中明るいエントランス側は、タイマーで自動的に消灯/ 点灯し、省エネルギーをはかります。
- 避難口扉の枠をアンバー色(サッシ同色)に塗り替え、扉にアクセントを付けます。
建物の調査・提案は、お気軽にご相談ください。